おじいさんと孫(仮題)
「初めて聞いたとき、俄かに信じられませんでしたけどね。失礼な話、母は混乱しているんだと思ってました。母の本当の父親はネグレクトで母は一時期施設に居たということは知っていました。だから、母の寂しい気持ちが産んだ産物なんだ、と。そう思っていました。それでも、この写真を証拠に見せられて、探す気になったんです。あなたを。」
彼の目を真っ直ぐ見つめると、彼は目線を逸らしたままだった。
どこか、諦めた目をしている。それが、漸く上がり漸く自分に向けられた。
不思議な目だ。生きている筈なのに、曇っている。
彼の目を真っ直ぐ見つめると、彼は目線を逸らしたままだった。
どこか、諦めた目をしている。それが、漸く上がり漸く自分に向けられた。
不思議な目だ。生きている筈なのに、曇っている。