誰も知らない物語
優香が話すには…
同じ学部の奴らしい。
少人数の授業で一緒に勉強しているらしく、大学ではよく会うらしい。
「頭がいいのよ!なんていうか…インテリ?物知りって感じ。」
と宙を見ながら言う。
奴のことでも想像しているのか?
話を聞く限り、健三のような人みたいだ。
…俺とは程遠い存在だな。
「それで、優香はどう思ってるん?」
肝心なのはそこだ。
優香の気持ちが知りたい。
「好きって言ってくれたことは嬉しかったかな。」
抽象的な言い方だ。
「私もね、いいかなって思う気はあるの。」
俺は黙って聞くことしか出来ない。
言える言葉が見つからない。
「…でも、私ね。…なんでもない。」
何かを考え込むように間が空いたが結局何も言うことはなかった。
俺も言葉が見つからなかった。
もちろん、否定したい。
でも。
でも、優香にとって俺といるよりそいつといた方が幸せなのかな…って思いもあった。
自分よりも明らかに…勝ってる。
「俺は…優香のこと…。」
「うん。」
たった一言。
その一言が。
「…応援する。」
…言えなかった。
優香はただ頷いた。
もうさ。
この時点で、負けてるよな。
気まずい雰囲気だ。
しかし、その雰囲気を作ったのは紛れもなく俺だ。
遠くに聞こえる花火の音がやけに近くに聞こえた。
こんなにも言いたいことが言えないものなのかと自問している。
幼い頃あんなにも簡単に口にできた言葉が今では遠い言葉に。
その意味と重みを知ったから、
なにより、その傷みを覚えたから。
言えない答えは一つ…自分を傷つけたくないから。
そんな気がした。
「守、私ね。」
沈黙を破る一言。
「…ごめん、頑張ってみる。」
頑張ってみる。
その言葉が、痛かった。
起きてるのが苦痛に感じた。
一層のことずっと寝てしまいたい。
そんな気持ちとは裏腹に目はやけに冴えている。
夏の夜ー日中に火照った体の熱が程好く冷めていく。
それがより目を覚ました。
優香は寝てしまった。
何だかんだ疲れているのだ。
ここまで来れたのは優香のお陰だ。
「なにしてんだ、俺は。」
コンビニで買った缶コーヒーを握りしめた。
涙は何故か出ない。
心のどこかでこれでいいと自分を正当化する俺がいるから。
でも、本当にこれでいいのか?
いいわけない。
よくない。
皮肉にもこんな状況がそう痛感させてくれた。
大切なものはいつだってそう。
危機的な状況にならないと人は気づかないもの。
だから、愚か者って月の民に思われる。
いや、月の民も同じ。
その事に気づかないのは人も月の民も同じ。
そして、その大切なものにいつも気づけている人が幸せなのだ。
同じ学部の奴らしい。
少人数の授業で一緒に勉強しているらしく、大学ではよく会うらしい。
「頭がいいのよ!なんていうか…インテリ?物知りって感じ。」
と宙を見ながら言う。
奴のことでも想像しているのか?
話を聞く限り、健三のような人みたいだ。
…俺とは程遠い存在だな。
「それで、優香はどう思ってるん?」
肝心なのはそこだ。
優香の気持ちが知りたい。
「好きって言ってくれたことは嬉しかったかな。」
抽象的な言い方だ。
「私もね、いいかなって思う気はあるの。」
俺は黙って聞くことしか出来ない。
言える言葉が見つからない。
「…でも、私ね。…なんでもない。」
何かを考え込むように間が空いたが結局何も言うことはなかった。
俺も言葉が見つからなかった。
もちろん、否定したい。
でも。
でも、優香にとって俺といるよりそいつといた方が幸せなのかな…って思いもあった。
自分よりも明らかに…勝ってる。
「俺は…優香のこと…。」
「うん。」
たった一言。
その一言が。
「…応援する。」
…言えなかった。
優香はただ頷いた。
もうさ。
この時点で、負けてるよな。
気まずい雰囲気だ。
しかし、その雰囲気を作ったのは紛れもなく俺だ。
遠くに聞こえる花火の音がやけに近くに聞こえた。
こんなにも言いたいことが言えないものなのかと自問している。
幼い頃あんなにも簡単に口にできた言葉が今では遠い言葉に。
その意味と重みを知ったから、
なにより、その傷みを覚えたから。
言えない答えは一つ…自分を傷つけたくないから。
そんな気がした。
「守、私ね。」
沈黙を破る一言。
「…ごめん、頑張ってみる。」
頑張ってみる。
その言葉が、痛かった。
起きてるのが苦痛に感じた。
一層のことずっと寝てしまいたい。
そんな気持ちとは裏腹に目はやけに冴えている。
夏の夜ー日中に火照った体の熱が程好く冷めていく。
それがより目を覚ました。
優香は寝てしまった。
何だかんだ疲れているのだ。
ここまで来れたのは優香のお陰だ。
「なにしてんだ、俺は。」
コンビニで買った缶コーヒーを握りしめた。
涙は何故か出ない。
心のどこかでこれでいいと自分を正当化する俺がいるから。
でも、本当にこれでいいのか?
いいわけない。
よくない。
皮肉にもこんな状況がそう痛感させてくれた。
大切なものはいつだってそう。
危機的な状況にならないと人は気づかないもの。
だから、愚か者って月の民に思われる。
いや、月の民も同じ。
その事に気づかないのは人も月の民も同じ。
そして、その大切なものにいつも気づけている人が幸せなのだ。