チョコレートトラップ
「ううん、

 諦めるなんて出来ないよ」


心の奥にひっそりと

募らせていた高橋くんへの

たくさんの想い。


それを精一杯込めたチョコを

渡さないなんて、

そんなこと出来ない。


「よかったぁ。

 芹菜のことだから

 止めちゃうかと思ったわ」


ふうっと肩を撫で下ろしている

凛に向かって、

私は力を込めてこくんと

大きく頷く。


今回は絶対に

高橋くんに想いを伝えるって

決めたんだから。


でも……


頷いたはいいけれど、

さっきの光景が頭をよぎり

瞳に影を落とす。


「でもやっぱり

 直接渡すなんて、出来ないよ!

 どうしよう、凛」







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