Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
レストランを出てホテルのロビーで
「藤倉さん、明日は何時の新幹線ですか?」
「明日は2時です」
「ほな、お見送りさせてもらいます」
陽菜は相変わらず小雪さんの手を握っている。
「今日は本当にありがとうございました」
「こちらこそ。美作さん、お二人を送ってあげて下さいね」
「はい」
ホテルの玄関を出ようとすると
「ひなも」
「えっ?」
「ひなもこゆきおねえちゃんといく」
「陽菜ちゃん」
またですか!
「陽菜、今日は駄目よ」
「いや!いくの。おにいちゃんも」
涼が私と恭介さんの顔を見て
「ひな、きょうはいかないよ。きょうはパパとママといっしょ」
「ひなはいくもん」
一度言い出したら聞かないんだから。
「陽菜、行きたきゃ行っていいぞ」
恭介さん?
「パパ、ほんと?」
みんなが恭介さんを見ている。
「あぁ。陽菜がいないからパパとママは涼と一緒に寝るからな」
「えっ?」
「陽菜は小雪お姉ちゃんと寝るんだから涼がママとパパと寝てもいいんだも んな」
「だ、だめ~」
小雪さんの手を離して私に抱き着いて
「ひながママとパパとねんねしゅるの。おにいちゃんだけとはだめ!」
あらあら。
「なら陽菜、今日は行かないよね」
「う、うん」
抱き上げて
「うん。陽菜はいい子。おばちゃんと小雪お姉ちゃんと拓海お兄ちゃんにおやすみ言いなさい」
「はい。おやしゅみなしゃい」
涼も
「おやすみなさい」
「はい、おやすみなさい。ほな明日… 昼過ぎに来ます。また連絡します」
「はい。おやすみなさい」
三人の乗ったタクシーが見えなくなるまで涼と陽菜は手を振り続けていた。