Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
歌舞練場の中に入って
「先にお茶席に行きまひょ」
チケットにはお茶券が付いている。
お抹茶を頂くと聞いていたので一応飲み方を涼と陽菜に教えた。
陽菜はまだチケットは要らないから私のをと思ってたんだけど女将さんが陽菜の分のチケットを用意して下さった。
『抱いて観はるのはしんどおっせ』と。
お茶席に入ると
まだお点前は始まっていず
「志織さん、此処へ」
女将さんに席に案内されて
「もうすぐお点前が始まります。今日は市花ちゃんがお点前どっさかいよう見てあげとうくれやす。うちはあっちで待ってますさ かいに」
そっか。
女将さんが私達と席に着くわけにはいかないもんね。
お正客から5番目に座っているので一列目になる。
ここならお点前がよく見えるわ。
陽菜が出てきた市花さんを見て
「あ、いちはなおねえちゃん」
陽菜の声が大きかったからかみんなの目が陽菜に。
「陽菜、静かにね」
口に指を当てると
「あ、うん。しーね」
自分の口に手を当てて後は静かに見ている。
涼は…こちらも緊張してるのか真剣な顔で市花さんを見ているし
運ばれてきたお菓子とお抹茶を頂いて…涼も教えた通りに頂いている。
「陽菜、苦かったら飲まなくてもいいわよ」
家で教えた時は薄めに点てたから。
「ひな、のめるもん」
お菓子を一口食べてお抹茶茶碗を両手で抱えて飲んでいる。
「大丈夫?」
「うん、おいしいよ」
あら、涼と一緒で綺麗に飲んだ。
涼も陽菜も抹茶好きなのかも。
「さ、行きましょうね」
あまりゆっくりはしていられない。
たくさんのお客様が並んで待っているから早く代わらないと。
席を立って 陽菜は市花さんに小さく手を振って声に出さずに『バイバイ』
あら、市花さんがニコリと。
気づいた陽菜もニッコリ嬉しそう。