Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
「涼、行こうか」
「うん」
見ていたテレビを消して
「パパ、車?」
「あぁ。買い物もあるしな」
「うん」
志織が車に乗っているので俺の車を出して
「久しぶりだな、パパの車。いつも陽菜が一緒だからママの車ばっかりだもん」
陽菜にはまだチャイルドシートが必要だから車で出かける時はどうしても志織の車になる。
「シートベルトしろよ」
「うん」
車を走らせ、さて、何処で朝飯…そうだ。
――
―
「さ、着いたぞ」
駐車場に車を止めて
「パパ、ここってホテルじゃないの?」
「あぁ」
うちのオフィスの近くにあるホテル。
仕事絡みで利用することも多い。
「さ、行くぞ」
「あ、うん」
涼にとってホテルは旅行に行った時に泊まる所だと言う認識だろう。
こんな都心のど真ん中のホテルなんて来ることはないし、それもただ朝飯食うだけに来るなんて考えたこともないだろうしキョロキョロしている。