Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~


「もう寝たか?」


「えぇ」


志織が降りて来て


「フフフ…」


「ん?どうした」


スコッチを飲んでる俺の横に座り


「これを涼からもらいました」


「ん?」


目の前に差し出されたのは水色の封筒。


「母の日のカードですって。陽菜は今回書いてないだろうからって陽菜の部屋から出てくるのを待って渡してくれました」


「ん」


カードには


『ママ、いつもありがとう。 いつまでもやさしいかわいいママでいてください。大すきなママへ。涼』


「成長してるんですね、涼も陽菜も」


「陽菜?」


「えぇ。陽菜もお兄ちゃんと一緒に書いてないからってさっき部屋で渡してくれました」


涼の封筒と同じくらいの画用紙に絵が描かれて


『ママだいすき』 と。


涼と陽菜はお互いを思いやり志織にこっそりと渡したのか。


「いい子達ですね」


「親馬鹿全開」


「フフフ…いいんですよ。あの子達がまだ私の腕の中にいる間は 」


「ハハハ…そうだな」


あいつらが20くらいになってもまだ親馬鹿全開でいられたら困るが、まだ人間形成の途中の子どもなんだから惜しみなく愛情を注いでやったらいい。


その方があいつらも真っ直ぐノビノビ育つだろう。


そして成長しても本能的に自分達は一人で大きくなったのではない、親や親戚や友達や色んな人と関わりあって大きくなったんだと分かるだろう。




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