Apasionado!3~俺様社長様の甘い誘惑~
「こんにちは。お久しぶりね」
「えっ?」
急に声を掛けられて振り向くと
赤の水着を着てサングラスを掛けた女性が…
「……」
あっ!
慌てて立ち上がり
「お久しぶりです」
サングラスを外してくれてやっと分かった。
「バカンス?」
「一泊だけですけど」
「フフフ…相変わらず仲がいいのね」
「えっぇぇぇぇ」
「それに相変わらず可愛いわね」
「そ、そんなことないです」
隣のデッキチェアを勧めて
「こちらで歌ってらっしゃるんですか?」
「えぇ、七夕のイベントでね。フフフ…あれから何年になるのかしら?」
「…四年半くらいですかね」
「早いわね」
「はい」
「だけど貴女、ちっとも変わってないわね」
「い、いえ」
この人は昔、恭介さんと付き合ってたことがある。
それも付き合ってた人のなかでは一番いい人で秘書の私にも親切にしてくれた唯一の人。
だからずっと恭介さんの恋人だと思ってたし、別れたと聞いた時は恭介さんに怒りすら感じてた。
「あんないい人と別れるなんて社長ってどうしようもないわ」って…
その頃は社長のことなんて何とも思ってなかったし…なんたって『子猿』だったもん。
結婚して初めての恭介さんの誕生日にこのホテルに来た時に再会して私がヤキモチを妬いていじけてた時に「恭介さんとは恋人でも何でもなかった。恭介さんが愛してるのは貴女だけ。私にも愛する人がいて結婚した」って宥めてくれた。
やっぱりいい人っていうか、『いい女』よねぇ。
「藤倉さんは?」
「あぁ、泳いでます、息子と」
「あら、お子さんが。やっぱり似てるの?藤倉さんに」
「フフフ…はい」
「貴女は泳がないの?」
「えっ?えぇ」