友恋。


その日もあたし達は、屋上でお弁当食べて話してハグしたりキスしたりいつも通りに過ごしてたんだけど…


アブノーマルな事態発生。


キスしてる時に誰かが屋上に上がってきた。


クラスメートの…

えーと、巳波ちゃんと…
留美ちゃん?


カナも気づいたようで唇を離す。


向こうはこちらに気づいてないみたいだ。

巳波ちゃんが口火を切る。


「るーちゃん、今日はどうして?」


「んー…びっくりしないでね」

あら…まるであたし達の告白の時の会話をまるごとコピーしてるような会話。


カナを見るとどうやら同じ事を思っているらしい。


「あたしね、女の子同士でもみーちゃんが好きなの…みーちゃんに、恋してるの…」

どんぴしゃ。カナも微笑ましい光景を見るかのような目で見ている。


「るーちゃん…」

「……」

「あたしは、構わないよ。体の関係とかはやっぱりまだやだけど…」

「え…」


留美ちゃんは惚けたような、腑抜けたような感じになっていた。


「るーちゃん、イヤ?」

ぶんぶんと首を振り、ようやく理解したのか嬉しそうに笑って

「ほんとに、ほんとにいいの?」

「いいって言ってるでしょ」


巳波ちゃんは留美ちゃんをそっとハグする。


あんなにあたし達は緊張したり不安になってたのにさすが女子校、ビアンのカップルって少なくないのね…


時計を見るとあと少しで授業が始まる。


うつらうつらし始めたカナを揺すり起こして立ち上がる。


もちろん、巳波ちゃん達はびっくりしてすぐに不愉快そうな顔になった。


「ユキナ…聞いてたの…?」

「ごめん、出てくタイミング掴めなくて」

「…あたし達を気持ち悪いとか思う…?」

「いいや、あたし達も付き合ってるし。ね?」

まだ寝ているカナに言うとお二方は

「「え?」」
「そこ誰かいるの?」

「D組のカナとあたし、女の子同士だけど付き合ってるのよ」

カナがゆるゆると起き上がって

「そだよー、あたし達ラブラブなんだよー」

と寝ぼけたまま言いながらあたしの首に手を回して

「おはようのキスしてー」

なんて言ってくる。

できたてホヤホヤのカップルに見せつけるかのように



あたし達はキスした。



< 10 / 14 >

この作品をシェア

pagetop