パステルカラーの恋模様 【鮫っち番外編】
「アイツがお前だけを見てないって事、本当は分かってんだろ?いつまでもこんな事続けてていいわけないって、本当は、お前が一番分かってんだろ?」
「…そんなんじゃねぇよ!…そんなんじゃ……」
俺はギターを背負い直し、江崎の肩に手を置いた。
「まだ引き返せる!あんな奴、やめちまえ、やめちまえ。お前だって、そうやって普通にしてれば、結構女の子らしいんだから。もったいねぇよ」
ふいに、かあっ、と江崎の顔が赤くなった。
そして、「うっうるせぇ!」と言い返した。
俺は、「あと言葉遣い直せよ」と言って手を振って階段を下りた。
ふう、また一つ、俺は人を助けたぜ。
えっと、あれ?
俺、何か忘れて……。
ああ!!美紀!!!
俺はバッと時計を見た。
30分も過ぎてる……。
どうしよう、俺、またやっちまった!
俺は中庭に急いだ。
さっきの小山よりももっと早く階段を下りた。