パステルカラーの恋模様 【鮫っち番外編】
中庭につくと、美紀はいなかった。
帰っちゃったかな……。
あー、最悪、俺。
俺が待ってるって言ったのに、ちゃんと話しようと思ってたのに…。
何やってんだよ、俺…。
心なし、風も冷たくなった。
かさかさと落ち葉が舞う。
俺は何か泣きそうになりながら、凍った池の前にしゃがみこんだ。
ダメだ、俺は。
ダメダメだ。
この性分が直らない限り、俺に明るい未来はないんだ。
池、カチンコチンだな。
そういや、この間って鯉ってどこ行ってんだ?
「はぁ…んな事、どうでもいいっつの……」
俺は俯いた。
そんな時だった。
急に後ろから、ドンっと体を押された。