パステルカラーの恋模様 【鮫っち番外編】
「どうでもよくないわよ!!」
えっ!うわっ落ちる!
っぶねぇ~…。
間一髪で池に落ちるのを免れた俺は、慌てて後ろを振り返った。
「みっ、美紀!」
美紀は腕を組んで、俺を見下ろしていた。
お、怒ってる…!!
ドキドキしながら、俺は立ち上がり、膝の部分についた汚れを手で払う。
そして、美紀と向き合った。
美紀のチェックのマフラーが風に揺れている。
頬もほんのり赤い。
よし、俺は腹をくくるぞ!
「ごめん!!」
俺は深く深く頭を下げた。
「遅れてごめん。不安にさせて……俺、また……」
なかなか美紀が喋ってくれないので、俺はぎゅっと目を瞑った。
頭に血が上る。
もう嫌んなった?
しょうもない俺、情けない俺、頼りない俺、全部嫌んなった?
別れ話を切り出されるんじゃないかと思い、俺は覚悟を決めた。
そんな時だった。