パステルカラーの恋模様 【鮫っち番外編】
おとといの日曜―…。
「んー?あー、へぇ…」
俺は美紀の家に遊びに行って、ギターを弾きながら、適当に質問に答えていた。
昨日、好きなアーティストの曲を新しくコピーしたから、俺はそれを暗譜するのに夢中だった。
美紀は課題をやりながら、俺に話しかけていた。
「何か隼人さぁ、お人よし過ぎるよ。この前だって、俺は使命を果たさなければいかんのだーっとか言って、デート流れたしさぁ」
「ん~…あ~…」
「待ち合わせにだって、間に合ったの数回だし」
「あ~…ね~…」
「ちょっと!聞いてんの!?」
「あっ!」
ついにギターを取り上げられた。
俺はピックだけを持って、ぶーっと口を膨らませる。
いつもなら、「拗ねないのっ」なんて笑って許すくせに、今日は美紀の方がいじけている。
ふいっと顔をそらされ、背を向けられたから、俺はため息をついて立ち上がり、傍に歩み寄った。
美紀の手元を覗き込む。