パステルカラーの恋模様 【鮫っち番外編】
「いや、あれはただ、相談とか乗ってただけ……」
「分かってる…!ただの友達だって事も分かってる。だって、あの子、啓太くんと付き合いだしたんでしょ?」
分ってんじゃん。
「そうだよ。だから、お前が不安になる事なんて、何もないから。マジで」
「でもっ…わがまま、かもしれないけど…不安は拭えないよ。隼人、時々へらへらしてて、本当は何考えてるか分んない時あるし」
は?
俺は一気に冷めていく。
「はっ、何だそれ」
「……」
「……お前、何だかんだ、俺のこと信じてないんだな」
「……」
何か答えろ、バカ。
そこで大人らしい仲直りの言葉も別れ話も、何も出ないまま、俺はギターをしまって、美紀の家を出た。
残っているのは、多少の罪悪感と、イライラ。