パステルカラーの恋模様 【鮫っち番外編】
―…

そんな話を聞かされた京吾は、眉間にしわを寄せて、顎に手をやった。


「……お子チャマだな」


ムカ。



「お子チャマじゃねぇぇ!」

「それはまぁ、どっちの言い分も分かるな。お前は本当に美園ちゃんとは何もないわけだし、本当に協力してあげたんだし。で、美紀ちゃんは美紀ちゃんで不安になる気持ちも分かるし。確かに、不安にならない方がおかしいわな」




冷静なアニキな意見を、率直に言い渡された俺は、がくっと肩を落とした。





「だよなぁ…。どうすりゃいいんだ、俺はぁ…」

「確かにお前、お人よしだしなぁ」




机にうつぶせる俺の肩をぽんっと叩いて、京吾は言った。

さらに肩を落とす俺。



「哀しい性分つーか、何かほっとけなくて…自分の事もままなってないくせに、人の心配ばっかしちまうんだよなぁ」





例えばそれは、恋のキューピットや、道案内だけに留まらない。




クラスの奴が店で万引きしようとした奴をとめようとしたり、バスケの練習試合で人数が足りなくてそれに応援参加したり、市内の祭りの準備なんかでピンチヒッターに入ったり。
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