運命‐サダメ‐



それと同時に、止まらないほど涙が溢れる。


その姿に、言葉に、彼は驚いている。




「何で、千夏を知っているんだ……?」




彼の声は、震えているような気がした。



彼が私の存在を知らないのは、当たり前だと思う。


私はあの時、日本にはいなかったのだから。



少しずつ思い出す、あの時のこと。


涙を拭い、言葉にする。




「私は高校卒業後、アメリカの大学へ行っていた。
その当時は、アメリカにいたんです」




< 62 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop