社長と刺激的な生活
「で、その彼女と父親の会社を救う為に…俺の会社と和成の弁護士事務所で手を打った」
「手を打ったって?」
「脅迫されていた件は法的手段を。風評被害で取引先を失った穴埋めに、俺の会社が仕事を委託した」
「そう……それじゃあ、この一件は一件落着したワケね?」
杏花は安堵したのか、笑顔で訊き返して来た。
はぁ……“一件落着”出来たのならどんなに良いか。
「それが……」
「えっ?まだ何かあるの?」
予想通り、杏花は驚いた表情を。
すると―――――、
「あっ、もしかして彼女みたいな人が他にもいるの?」
「えっ?」
「だから、昔の女よ!他にもまだ店へ来るだろうから、気を付けろって事でしょ!?」
「あっ……いや……んー、まぁ…そう……なのかも……」
杏花の言葉に棘があるワケじゃない。
ただ、杏花の口から俺の昔の女が“他にもいるんでしょ?”と、
言われた気がして……遊んでた自分が悪いのに……
何故か、胸がチクッと痛んだ。