雨あがりの空に
何でだよ?

さっきまで拓海と楽しそうに話しながら歩いてたんだぞ?


それに翠は元気だ。

倒れたなんて、どうしてだよ?



車のハンドルを握る力が強くなる。

信号が、なかなか青に変わらなくてイライラする。



きっと何かの間違いだ。


そう願った。



少しばかり、アクセルを強く踏んでしまい…スピードが出る。



都内の大きな病院に着いた途端…。

俺は息を飲んだ。



そそくさと病院の中に入って翠の居場所を聞こうとした。



その時。

「裕也くん」


名前を呼ばれて、ふと振り返る。
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