雨あがりの空に
「七恵さん」

振り返った先には、翠のお母さん…七恵さんが立っていた。


「翠は!?翠はどこに居るんですか?」

「大丈夫よ、落ち着いて。今、案内するから」

七恵さんは落ち着いた口調で言った。


俺は七恵さんの後ろを着いて行った。



6階の501号室。 仙崎翠。


確かに翠の部屋だった。


七恵さんは、翠の病室の前に来ると立ち止まった。

「裕也くん、心配かけてごめんね?貧血で倒れたみたいで、多分大丈夫だと思うけど、今さっきね念のため検査をしてもらったの。」

「…そうだったんですか」

「うん。だから安心してね?」

「はい」

「じゃあ、翠に会ってあげて?」

「はい。ありがとうございます」


ガラッ。


病室のドアを静かに開ける。
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