ミックス・コーヒー
 貴之は体が固まってしまっていて、画面から目を逸らせない。

 と、いうよりも、どうしても美葉の方を見ることができない。



『昨日正午過ぎ、川山町で住宅が燃える火災がありました。この家に住んでいた……』
 女性アナウンサーの声に合わせてテロップが出る。



<死亡 古亭路誠さん>



「……美葉!」

 たまらず、貴之が美葉の両肩を抱いた。

 美葉は震えていた……が、涙は出ていなかった。
 その代わり、目の焦点が合っていない。
 瞳孔も若干開いている。

 貴之は美葉の顔を見れなくなり、自分の胸に押し付けた。
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