モントリヒト城の吸血鬼①~ヴァンパイアの花嫁~
「…は…?」

「だから。
苦しいの、この状態。
…もう、しょうが
ない人ね。
東雲、天明。
助けてくれる?」

状況が飲み込めず
姫乃の上で呆然とする
ノークスを東雲が
どかせ、天明が
姫乃を助け起こす。

「お怪我は
していませんか、
お嬢様。」

「ええ。大丈夫よ。」

心配そうにいう
従僕たちに
柔らかな笑顔を
姫乃が返す。

「…な、に…?」

「あ、この銃ね?
こないだ城の中で
銃身だけ見つけたのよ。」

「は。」

「城内の武器庫は全部
鍵かかってるんだから、
少し考えれば
空砲かもって
思うでしょ?
都合よく
銀の銃弾なんて
手に入るわけ
ないじゃない。」

にこにこしながら
姫乃が言う。



まるで、悪戯の
成功を喜ぶような、
その、笑顔。
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