小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
「……歌恋。僕、圭は大丈夫だよって言ったのに……」
良ちゃんが椅子から立ち上がり、あたしのもとに来てしゃがみ込んだ。
「ごめん。電波が悪くて良ちゃんの言ってること聞き取れなくてさ」
不安がとけると、あとには恥ずかしさしか残らない。
ひとり早とちりして、焦ってここまで来て……。
もう……穴があったら入りたい。
「良ちゃんの声途切れ途切れでさ……“圭”と“ケガ”しかわからなくて……」
あれ……なんか……。
涙……堪え切れないかも……。
あたしは、瞳に溜まる涙を見られないように顔を伏せ、雨で濡れた前髪を触る。
「圭、足のケガ、すぐ治るんだよね?」
俯いたまま聞くと、圭のため息が聞こえてきた。
「ただの捻挫だから、湿布してりゃそのうち治るよ」
「よかった! あー、もう! 人の話を最後まで聞かないとこうなるんだよね!」