小さな恋の虹〜キミと描く夢〜
涙がバレないように、陽気に言う。
「台風の中ここまで来るとか、ほんっとあたしってバカだー!!」
ハハっと笑いながら言ったけど、あたし、ちゃんと笑えてたかな……。
「あー、慌ててここまで来たら喉乾いちゃった! ふたりの分もなんか適当に買ってくるね!」
クルリと背を向けた瞬間、我慢の限界が来て頬にたくさんの涙が伝った。
細かく瞬きをして、瞳からできるだけ涙をこぼす。
ふたりの前では堂々と目元を拭うことができないから、瞬きをして涙を流さないと前が見えなくなる。
ドアを横に引いて廊下に出ると、ようやく息を吐くことができた。
ドアに背を付け、口元を押さえて嗚咽を殺す。
よかった……。
ただの捻挫で、本当によかった。
――ガラガラッ。
突然、診察室のドアが開き、あたしは慌てて頬の涙を拭い出てきた人物に背を向けた。
「……っ!?」
グイっと不意打ちで手首を掴まれ、目を丸めて良ちゃんの背中を見る。