総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
「あ、急に何言ってんの?」
人を愛することも怖かったし。
殴ることも本当は怖かった。
力が制御できなかったから。
だけどもう迷わねぇよ。
過去にいろいろあったおかげで、愛してるという言葉が大嫌いだった俺だが。
今はそこまで嫌いじゃねぇ。
俺は、相手を殴るとき"愛をこめて"殴ってる。
だから殴る前、俺は呟くんだ。
「お前も、アイツらと平等に愛してやるからちゃんと受け止めろよ?」
その言葉と同時に俺はスイの頬に、拳をねじ込ませた。