総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
俺を見るシンの目は、いつになく冷たくてまるでゴミを見るような目だった。


しゃがみこむ腰に喝を入れ、病室へ戻る。


「お兄ちゃん‥‥?」


不安げなレナの声が部屋に響いた。


波打つカーテンがを見ながら乱れた心を、整えた。


「ん、どうした?レナ。」


できるだけ、心情を悟られないように笑顔で話す。


「あの、もう一人の人は?」


恐る恐る、聞いてくる。


「あぁ、先に帰っちゃった。」


「そう‥‥なんだ。あの、あたしに他に家族は‥‥?」


そうか、両親のことも忘れてるんだった‥‥。


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