総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
「もうてめぇらは、俺らが堕としたんだ」


ヒサが冷たくシンに言い放った。


それでも、シンの目の色が変わることはない。


あたしは、シンが救えなかった。


ヤミも、救えなかった。


きっと、あたしが出て行っても何にもならない。


あたしが一番、この戦争に関係してるのに。


何もできないことが‥‥‥悔しかった。


ただ、シンが負けることを祈り、ヒサが勝つことを願うしかできない。


「俺たちの勝ちだ。さぁ、望むもん‥‥‥出してもらおうか」


「‥‥‥望むもん、ねぇ。お前が望むのはレナか?それとも‥‥‥ユイか」


ユイ‥‥‥その名前が出た瞬間、ヒサの顔色が変わった。


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