私の刑事さん

「気は済んだか?」

「…ありがとう、ございます…」

そっと、男の手が私の頭を撫でた。

温かくて

大きな手

お父さんと同じ。

「お前、名前は?」

「……池元…美奈……」

「美奈か…いい名前だな」

私は小さく頷いた。

唯一お母さんとお父さんが心から私のことを考えてくれたもの。

だから私は『美奈』って言う名前と『秀哉』って言う名前が世界で一番いい名前だと思ってる。

「…あの…」

「ん?」

「…なま、え…」

「あぁ、俺は 西 海斗」

海斗…

いい名前。

でも、この一言が言えなかった。

初めて恥ずかしって思った。



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