銀棺の一角獣
「けれど、わたしたちの先祖が計画した通りにはならなかった――キーラン様、ライオール陛下は――人が変わったとおっしゃっていましたよね? その少し前に激しく同様するようなことがあったのではありませんか?」


 キーランは考え込むように、空を見上げた。つられてアルティナも視線を上に向ける。

 こんな話をするにはふさわしくないほど、木々の隙間にのぞける空は明るく晴れ渡っていた。雲一つない空は真っ青で、どこまでも高い。


「――母と妹が亡くなったのがその頃だ。流行病で――寝ついたと思ったらあっという間に」

「では、それが原因なのかもしれませんね。けれど、それによって千年近くの間その身に魔物を封じてきたディレイニー王国の封印にひびが入ってしまった。千年の間に、魔物の方も力を取り戻していたのでしょう……推測でしかありませんが。魔物はライオール陛下を操り始めたんです」


 アルティナはそっと息をつく。

 対峙したライオールは怖かった。頭から丸飲みにされるのではないかと思
うほど――けれど、そんな彼が愛した者の死によって動揺し、魔物に飲まれたのだと思うと切なくなる。
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