銀棺の一角獣
 魔物との戦いは、何日も何日も続いたのだ――と、アルティナの記憶は語る。


「それでも魔物を倒すことはできなかった。もう一度手を差し伸べてくれたのは、角を与えてくれた一角獣だったの」


 空に雷鳴が鳴り響く中、一角獣と魔物はぶつかりあい――そして、双方が倒れた。魔物は身体を捨てて逃げ出そうとし――それを阻んだのは、ディレイニー王国の国王だった。


「彼は自分の身体に魔物の心を取り込んだの。そして、代々魔物の心を逃がさないよう守り続けることにした」


 何百年もの間、代々の国王は記憶とともに受け継いできた――魔物の魂を。


「ライディーア国王は瀕死の一角獣を手当して――そして魔をよせつけないように銀で作った棺の中におさめて封印した」


 いつか来るであろう一角獣の復活の日に備えて。千年の間、棺の中で眠り続ければ人に与えた一角獣の角も元の通りになるはずだった。
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