銀棺の一角獣
「そうね。ティレルは白。鎧は銀色。わたしの髪と目の色と――合わせるとしたらこれ、かしら?」


 それは十七の誕生日を迎えた日に身につけた物だった。

 上半身はぴたりと身体に合っている。襟は高く、首の周囲には金糸と銀糸を使って豪華な刺繍が施されていて、身につけた時はアルティナの首の細さを際だたせる作りだった。

 スカート部分は二枚重ねるようになっている。

 下のスカートは白一色。そこに水晶のビーズをちりばめてあり、身動きするたびに緩やかに揺れる。

 その上に重ねるのも白のスカートだった。こちらは下のスカートより薄い生地で作られている。膝のあたりから下に向かって紫色に染められている。

 一番上はラベンダーの花のようなごく薄い紫色。そこから少しずつ下に向かって自然に紫色が強くなっていく。スカートの裾はアルティナの瞳と同じ色だった。


「上半身は鎧を着るの。髪はどうしようかしら――流した方がいい? それともたくさん宝石をあしらって結い上げようかしら。美しく見えるようにしてちょうだい――最高に美しく、輝いているように」

 侍女たちが集まって、ああでもない、こうでもないと議論が始まる。アルティナは鏡の中を見つめて、厳しい表情を作った。
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