銀棺の一角獣
「二週間でよろしいと思いますよ。ひょっとするともう少しかかるかもしれません」


 デインはアルティナの言葉を肯定した。


「じゃあお別れに行かないと。僕、一週間もしたら発つつもりだし」

「お国にお帰りになるのですか?」

「父も待ってるしね。それに、もうアルティナの婚約者じゃないからここにいる必要もない」


 顔を伏せてしまったアルティナに、キーランは笑いかけた。


「そんな顔しないで。国に戻って、自分の国を立て直そうって決めたのは僕なんだから。それに――向こうで誰か見つけるつもりだしね」

「キーラン様には――なんとお礼を言ったらいいのか」

「それは僕じゃなくてティレルに言わないと。首切られたり、足切られたり大変だったんだろう?」
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