銀棺の一角獣
「できるだけ長くいてちょうだい」
父も兄もいなくなった。キーランももうすぐこの国を去る。アルティナの周囲には誰もいなくなってしまって――だから、アルティナは寂しさを感じないわけにはいかなかった。
「そうだな。おまえが跡継ぎをもうけるくらいまではこの国にいようか」
ティレルはアルティナの手に額を押しつける。アルティナは彼の額に生えた角を優しい手つきで撫でた。
「それより、いいのか? ルドヴィクを行かせてしまって」
「いいの。彼が迎えに行くのが一番いいでしょう?」
今はルドヴィクの顔を見ることができなかった。キーランがいなくなったからといって、いそいそとルドヴィクの胸に飛び込むなんてできるはずがない。自分が彼に強いた犠牲の大きさを考えればなおさら。
「はん、人間というのはつまらないな。自分が思うようにすればいいのに」
父も兄もいなくなった。キーランももうすぐこの国を去る。アルティナの周囲には誰もいなくなってしまって――だから、アルティナは寂しさを感じないわけにはいかなかった。
「そうだな。おまえが跡継ぎをもうけるくらいまではこの国にいようか」
ティレルはアルティナの手に額を押しつける。アルティナは彼の額に生えた角を優しい手つきで撫でた。
「それより、いいのか? ルドヴィクを行かせてしまって」
「いいの。彼が迎えに行くのが一番いいでしょう?」
今はルドヴィクの顔を見ることができなかった。キーランがいなくなったからといって、いそいそとルドヴィクの胸に飛び込むなんてできるはずがない。自分が彼に強いた犠牲の大きさを考えればなおさら。
「はん、人間というのはつまらないな。自分が思うようにすればいいのに」