銀棺の一角獣
「……抜けると思ったのに……一角獣の角ってお薬になるんでしょう?」

「抜けるか! だいたい薬にする時は先を少し折るんだ。根本からいきなり抜くとか普通考えないだろう」


 ケイシーの勢いにさすがのティレルも少したじろいだようだった。


「ティレルにもかなわない相手がいるのね」


 アルティナはくすくすと笑う。

 旅の間、ずっとティレルにはやられっぱなしだった。むろん、彼の方がはるかに長く生きていて、アルティナ達は彼を頼りにし続けていたということもあるのだけれど。


「ケーキもらってきたんですよ。食べますか?」


 ケイシーはティレルにたずねる。食べるという返事に、すぐに持ってくると言い残して急ぎ足に王宮へと入っていった。

「……あれはなんだ、少しは恐れるとか敬うとかないのか」
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