銀棺の一角獣
エピローグ
 婚儀ができる限り盛大に行われたのは、それから半年後のことだった。

 アルティナはできるだけ質素に行うつもりだったのだけれど、デインが私財をなげうち、ディレイニー国からは女王とその夫のために豪奢な式服が一式贈られ、当初の予定よりはるかに盛大なものとなった。

 あいかわらず王宮にとどまっていたティレルは、アルティナとルドヴィクの結婚式が終わるのを待って、リンドロウムの森へと去ることに決めた。

 庭園での生活があまりにも快適すぎて、当初の予定よりずいぶん長居してしまったようだ。

 ティレル自身は「アルティナが幸せになるのを見届けるまでのつもりだった」と言い張っていたけれど。

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