銀棺の一角獣
ミラール、と呼ばれた一番年かさの騎士が、よろめきながら体勢を変え、アルティナに向かって頭を下げた。
「いいえ。あなたたちが無事で、本当によかったと思います」
ここに来るまでにキーランに聞いていた。彼らは強情で、傷を負ってもなおアルティナを救出することをあきらめず、仕方なく鎖につないでいるのだと。
中でもルドヴィクの暴れぶりはすさまじく、ライオールとの戦いで重傷を負ったにも関わらず、見張りについた兵士二人を叩きのめしたらしい。
「……ルドヴィク」
アルティナはルドヴィクの側に膝をついた。彼はまっすぐ座っていることもできず、奇妙な角度で壁に背中を預けていた。
「……姫……様……」
彼の声は小さくて途切れがちだった。口をきくのもやっとという有様で、アルティナに向かって騎士の礼をとる余裕もない。
アルティナをとらわれの身としてしまったことを恥じるように、ルドヴィクは明るい青の瞳を閉じた。
「いいえ。あなたたちが無事で、本当によかったと思います」
ここに来るまでにキーランに聞いていた。彼らは強情で、傷を負ってもなおアルティナを救出することをあきらめず、仕方なく鎖につないでいるのだと。
中でもルドヴィクの暴れぶりはすさまじく、ライオールとの戦いで重傷を負ったにも関わらず、見張りについた兵士二人を叩きのめしたらしい。
「……ルドヴィク」
アルティナはルドヴィクの側に膝をついた。彼はまっすぐ座っていることもできず、奇妙な角度で壁に背中を預けていた。
「……姫……様……」
彼の声は小さくて途切れがちだった。口をきくのもやっとという有様で、アルティナに向かって騎士の礼をとる余裕もない。
アルティナをとらわれの身としてしまったことを恥じるように、ルドヴィクは明るい青の瞳を閉じた。