銀棺の一角獣
「できる限りのことはする。もう一度師をよこすから今度はおとなしく手当を受けてほしい」


 苦笑いでキーランは言った。前回派遣された医師は、騎士たちが反抗するのをそれ以上の手腕で押さえつけて強引に手当したのだ。

 ――意識がなかったルドヴィクは例外として。

 毎日は無理でも、数日に一度はアルティナが様子を見に行けるようにとりはかるとキーランは約束してくれた。

 それだけでも、今のアルティナには十分だ。

 部屋に戻った時には、アルティナは消耗しきっていた。


「……無理をさせたね」


 よろめくように椅子に座り込んだアルティナに、キーランは言った。


「……いえ、ありがとうございました……このくらい……彼らのことまで気遣ってくださって」


 まだ身体は少し発熱している。ぐったりと背もたれに背中を預けたアルティナに、ケイシーが数種類の果物の果汁を混ぜ合わせたものを差し出す。


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