銀棺の一角獣
国許からの客人
 アルティナたちが閉じこめられて一週間。閉じこめられた騎士たちはアルティナの言いつけ通りにおとなしくしていた。医師の手当を受け、順調に回復している――ルドヴィクも含めて。

 まだルドヴィクは本調子ではないけれど、それでも以前よりはましだ。


「君の騎士たちに会いに行こうか?」

「……よろしいのですか?」

「君の顔を見ないと、騎士たちも不安だろうしね。元気な顔を見せてあげるといい」

「ありがとうございます」


 アルティナの扱いは悪くない。

 キーランの隣の部屋を与えられ、必要な品があればなんでも届けてもらえる。護衛という名目の見張り付きではあるが、庭園の散策も許されていて外の空気を吸うこともできた。

 騎士たちの方も、最初に閉じこめられていた部屋から少しましな環境に移動させられている。

 キーランはと言えば、公務の合間はアルティナの部屋に入り浸り何くれとなく気を使ってくれていた。

 こうして騎士たちに会いに連れ出してくれるのもその一つだ。キーランが同席しなければ、アルティナは会うことを許可されないのだ。
< 78 / 381 >

この作品をシェア

pagetop