サファイヤアンドロイドの夢
復活
二人で車に乗り込むと、男は、一心に窓の外を眺め、珍しいものを見つけては、私にそれが何であるのかを尋ねた。
うきうきと言う文字が男の周りに浮いているようだ。

おかげで私は、男をスムーズに、より効果的に処刑するためのシナリオを練り直す暇もなく本部近くまで到着してしまった。
集会が開かれる広場では、すでに千を越すアンドロイドたちが陣取っていると言う。参加者の予定は3千だが、この勢いで行けば5千を越すかも知れない。
特に熱狂的な者達は、3日も前から広場に座り込んでいると言う。

私の連絡を受け、本部から誘導隊が出る。この状態では、車一台だけで本部までたどり着けそうになかった。


「すげー数だな。今日は何かあるのか?」


男は、車窓をスモークに切り替えるよう指示したにも関わらず、窓を少し開けて、その隙間から外を覗き込み、興奮して私に尋ねる。

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