サファイヤアンドロイドの夢
慌ててドアを開けると、Mr.Dが立っていた。
私は彼から荷物を受け取る。


「だー!外は暑いぞ!ジェイル、おまえ暑さは感じるのか?」


Mr.Dは、額の汗を腕で拭いながらそう聞く。
私は無言で頷く。
荷物は今度集会を開く街のデータとバラしたエアガンだ。


「そうか。すげーな、おまえ。……いや、逆に不便なのか。人間でもないのに暑さを感じたところで何のメリットもないもんな。それだったらどんな暑さの中でも何も感じずに快適に過ごせた方がアンドロイドとしては・・・・・・」


そこまで言ってから、彼は私の表情に気づき黙り込む。
優しい人だ。
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