サファイヤアンドロイドの夢
私は、新しい顔と、山本優夜の身代わりに造られたアンドロイドと言う記憶を手に入れ、アンドロイドは新しい顔と、研究所を脱走し、アンドロイドに自由を与える為に闘わなければならない堂岡アキラと言う記憶を得た。


「声をどうします?」


と闇医者が聞いた。
研究所への寄付金を横領し、私腹を肥やしていたギルドの預金データをパスワードごと手に入れていた私は、手術にどれだけ金がかかってもいいと言ったので、闇医者は上機嫌だった。
アンドロイドは顔も声も指紋も指名手配のデータに登録されていた。
顔を選んだ時と同じランダムで、と言おうとして、ふと思いついた希望を伝えた。
ライラがずっとステキな声ね、と言っていた研究所ナンバー2のタケルと言う男の声がいい、と。
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