百鬼夜行の主


やっぱりそこまで甘くはないか…諦めかけていた。瞬間、気狐の口から思いがけない言葉が出る。



『てめえに従う気も、慣れあうつもりもねぇ。だが…罪を償うつもりがあるのなら、一緒にいてやってもかまわねぇよ』


私は目を見開いた。気狐が不服そうに私を睨む。


『…何だよ』


気狐が小さな子供のような表情で私を睨む。私は思わず笑った。


『いや…なんか可愛いと思ってしまっただけだ』


『ふざけんな!!!』


気狐が真っ赤な顔をし、9つの尻尾を逆立て怒鳴る。


私は静かに微笑み、気狐と目線を合わせた。


『じゃぁ…お前はもう、俺の百鬼夜行の仲間だ。よろしくな』


気狐は再び舌打ちをした。

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