百鬼夜行の主


―放課後


「今日で一学期が終わりましたね」


鬼灯が額の汗を拭いながら呟く。自宅までの帰り道、私は鬼灯と2人で歩いていた。

適当な話をしたあと、私は鬼灯に尋ねた。

「鬼灯、今年も百鬼達といるつもりだけどかまわない?」


鬼灯が一瞬呆気にとられたような顔になる。しかし、すぐ微笑んだ。


「かまいませんよ」


…何なんだ?

鬼灯が微笑んだ瞬間動悸がした。動悸を起こしている心臓に手を当てる。

異常すぎるぐらい心臓が早く脈打つ。


何なんだこの動悸は…!私は顔を横に勢いよく振る。


「主様、お顔が赤いですが…熱でも?」

鬼灯が私の額に手を当てる。瞬間、私の体温は沸点に到達した。


「何でもない!!帰ろう!!」


私は鬼灯の手を掴み、自宅へ早足で歩いた。

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