百鬼夜行の主
―十分後
「よしっ…準備は整いました。主様、明日と明後日は予定開けておいてくださいね」
嫌な予感しかしない。私は恐る恐る雪羅の顔を見た。
雪羅は凄く楽しそうな顔で私を見ている。
「準備って…何のことだ?」
「明後日、主様は鬼灯とデート。その後、告白してもらいます」
ハードル高すぎるだろ!!しかもデートだと!?
「無理無理無理!!ハードル高すぎ!それに二人っきりでデートなんてできるわけないだろ!」
「そこは明日教えます。では、明日の朝8時に此処に来ますので一番可愛いと思える服装で来てくださいね」
雪羅が再びハードルの高い注文をつけた。冗談じゃないぞ…私が頭を抱えていることなど知らず、雪羅はオムライスを食べ終わると皿をシンクに置き、玄関に向かった。
「それでは、明日のことこちらとしても楽しみにしています。すっぽかしたら許しませんからね」
雪羅はそれだけを言い残し、廃ビルに帰っていった。