百鬼夜行の主


鉄パイプの置いてある場所にたどり着くと、私はそれをまとめていた紐を一気にほどいた。


瞬間、支えを失った鉄パイプが次々に崩れ落ちる。


私は一番細い鉄パイプを取り、急いでその場を離れた。


『無駄なあがきを…』


烏天狗は風を起こし、鉄パイプを粉々にする。



「無駄なあがきかは、よく見てからの方がいいよ」



『あ〝?』


私は空高く鉄パイプを投げた。鉄パイプが弧を描き、烏天狗の方に落ちてゆく。



『こんなもの、攻撃にもならねぇよ』


烏天狗が鉄パイプを一刀両断する。刹那、鉄パイプが強い光を放ち、あたりを真っ白に照らした。


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