Level.0
「神の子の出勤はずいぶんとごゆっくりなのですね」
「ええ、誰かと違って無駄に早く来なくても仕事は終わりますから」
相変わらず腕は掴まれたまま。
でも、これでいい。
もし誰かが来て騒ぎにしてくれれば、悪いのはこの男になるのだから。
「お前…裏切り者の子供が偉そうに」
「だから?今はLevel.0ですから。そういう話なら政府へ直接どうぞ」
メインタワーの最上階に政府の職務室がある。
そこを指差しながら言った。
確かに私の両親は反乱者だ。
でも、ここに来るために努力をした。
だからここにいるわけで。
もちろん、今じゃ努力で上がれるものでもないんだけどね。
私の場合、運も味方してただけの話。