砂漠の水車



「…………」


「…………」



道は曲がりもせず真っ直ぐ伸びている。


途中に、なにやら布切れやら帽子やらが散乱しており、街と正反対に妙な生活感というものが染みてくる。


それを見るたびゾクリと鳥肌がたったり。



「前の村や町の人間の物だろうな」


ジンが、できる限り声のトーンを落として言った。


「食料を譲るのに抵抗した奴らを連れてきて、奴隷並みの扱いをしていることだろう」


「…神の使いが、聞いて呆れます」



皮肉だ。


そも、騎士を名乗る以上は聖職者な筈の彼らだが、7隊の一同にはとりわけ信仰心なるものは皆無に等しい。


ヒツギは生まれが生まれだけに仏教だし、帝国カークランド教徒と自称するアルファも、あまり、いやまったく熱心ではない。


後の三人は神様なんてしゃらくせぇな勢い。



だからこそ、たかが『信仰』で戦争が起きるなんて信じられないし下らない、としか思えなかった。


死を覚悟してまで救われようと思うなら、そもそも剣など握らなければいい話。


しかし、宗教間で殺人は御法度でありながら宗教戦争なんていうものがあるのは、異教徒を『人』と見なさないからだ。



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