砂漠の水車



家畜は食われるために殺さなければならない。


害虫は邪魔だから退治しなければならない。


後者と同じく、自分たちが救われるためには自分たちの神を唯一無二絶対なる神と崇めなければならない。



それでは他<異教徒>が邪魔なんだ。



邪魔なら殺せばよろしい。


虫を殺人とは言わないのだから。




聖職さえ腐っている。


神はすなわち、人を救う者ではなく征服者の背中を支える柱なのだ。




「…いまさら。
それを言ったら俺は立場がないよ」



ジンは困ったように空いた右手で頭をくしゃくしゃとかきむしった。


さっきのお返しと言わんばかりにレインが無感情な口調でつっこむ。



「それこそ、いまさらです。
主はカークランド教徒、いえ、帝国での立場は御入り用ですか」


「………」


「要るなら、私が空けます」


「お前は何でも屋か」



実際ジンに命じられたことはなんでもやるだろう、この女は。


それがまた恐ろしく、まあ有り難い。



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