砂漠の水車
大体仕掛けてきておきながらこうだらだら喋っている時点で、余所者退治を命ぜられた兵隊として失格判定が出る。
のんびりしてる暇があるならさっさと片付けることを試みたらどうだ。
「おーっとぉ、そういや自己紹介がおぐれだな」
巨漢が頭をガリガリかきながら言う。
仕事する気ないだろう、絶対。
「俺ぁジド・マクライナモ隊長のみぎう――…」
「いや言わなくていいから」
だってここジャ〇プじゃないもの、敵の自己紹介をうだうだ聞いてやる義理などどこにあろうか。
自己紹介は聞いてあげるが正義、だがしかし正義は少年ジャ〇プにしか無いんだって偉い弁護士が言っていたよ。
「突っ切るぞ」
「はっ」
ジンは左手を拳に固め、ゆらゆらと幻想的に燃える炎を握った。
手の中から溢れてくる火の粉は、砂に落ちるたび一粒を燃やし、煙をあげる。
――魔術師。
その単語が頭に浮かんだ時に、感じたのは確かな高揚と破壊欲、敵に不足なしと褒めてやるでもないにしろ、やりがいは認められる。