砂漠の水車
「餓鬼、ごろしでやんよ、ゲゲゲゲゲゲっ、ゲヒャヒャッ、ヒャッハハハハハハハハハ!!」
「待てっ、ドウザー!!」
小男に止められたにも関わらず、巨漢は大きな剣を振り回して狂気じみた鳴き声をあげながらか細い青年に向かっていった。
涎をざんざん降らせながら、迸る汗はスポ魂で美化されうる限度を大幅に越えている。
汚いな近寄るなと思いながら眉間に皺を寄せ、ジンはレインを肩に担いで左手にある炎の塊を地面に叩きつけた。
「ぶごぉあああっ!!」
砂嵐再発。
こんな四字熟語は無いが、ジンを中心にして舞い上がった砂が竜巻のごとく螺旋を描き、近くの煉瓦をも巻き込んで回転する。
火の勢いだけで旋風が起きた。
蝿が一斉にぶつかってきたような、とにかく至近距離で砂嵐に巻き込まれた巨漢は身体のあらゆる部位に痛さを受ける。
それでも、地に脚はきちんとついていた。
「ぐぞぉぉぉおっ!!」
砂で辺りが見えないので、手当たり次第に剣を、腕を振り回しながら旋風の中心に向かっていく。
だが感触はなかった。