砂漠の水車



そして、2秒後――…。


「ぶぉぉぉおをおおおっ!!」


豚に似た悲鳴が響いた。


突然、右肩に感じた激しい熱さ、魔術師青年の火かと思ったが、そこを押さえて驚愕、熱いのは炎じゃない、自分の血だ。



「お粗末様でした」


100%のおふざけな台詞を置いて魔術師は笑う。


血のように紅い両眼はまるで三日月のように歪み、その手元には瑞々しく滴る豚犬血。



細く黒い彼愛用のレイピアは巨漢の腕を裂いた。


砂嵐の中で、煉瓦と一緒に飛ばされる剣を握ったままの片腕。



「ギャアアアア!!」



悲鳴をBGMにして青年は笑う。


ちょっとはご機嫌治ったようで。



「見ろ、水があるぞ」


見るもおぞましい赤い液体を指に遊ばせて、ジンは嬉しそうに言った。


強制的に肩に担がれたレインは、激しい砂嵐の中、剣を抜く。



「『凍れ』!!」


命令と同時に剣を振った。


瓦礫地帯の土の下から、針山が現れる。



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